簡易実験場

徒然なるままに

ファッション用語って難しくない?

私、まもなく生後6か月になる娘がいるのですが、そろそろ秋冬物の服を買ってあげないといけないなと思い始め、妻に話をしたところ、どうやら妻の姉からお下がりをもらっていたようで
「今度まとめて送ってくれるらしいけど、今もコーデュロイならあるよ」
……え?なに?呪文?
私の頭の中で「アクアメンティ!エクスペリアームス!」に加えて「コーデュロイ!」と唱える妖精が誕生したところで、今回はコーデュロイとは何者かを確認する話です。


コーデュロイとは

コーデュロイとはパイル織物の一つのことで、綿をビロード織りした「ベッチン」という生地と同じ織り方をしています。
パイル織物とは、生地の表面に下地から糸を織り出した織物をいいます。糸をループ状に織り出すことによって、その間に水や空気を蓄えることができるので、吸湿性、保温性に優れています。
表地に織り出されたパイル糸がループ状になっている「ループパイル」と、カットされて毛羽になっている「カットパイル」があります。
下記画像の上がループパイル、下がカットパイルで、コーデュロイはカットパイルのものを指します。ループパイルの代表例にはタオルなどがあります。

https://corp.world.co.jp/fashion/material/images/faq_07_img_01.gif

参考:https://corp.world.co.jp/fashion/material/faq.html?M_MATERIAL=8

 

ベッチンとの違い

コーデュロイとベッチンの違いは端的に言えば畝の有無で、畝の無いものをベッチンと呼びます。
英語でもコーデュロイは「corded velveteen(畝のあるベッチン)」というみたいです。
コーデュロイ、実物を見たら「あー、これね」となるやつですね。皆さんも学生時代に目にしたであろう、黒板消しもコーデュロイのようです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/48/Mansestr.jpg/1280px-Mansestr.jpg

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%AD%E3%82%A4

 


畝について

名前の由来にもなっている「cord=畝」ですが、ルイ14世戴冠式にて献上された、この畝のある生地を気に入ったことで、宮廷お抱えの庭師に作業服としてコーデュロイ生地を使用させました。このことから”Corde du Roi”フランス語で「王様の畝」という意味の名がついたとされています。

「velveteen=ベッチン」の別名が綿ビロードであることから、日本では「corded velveteen=コーデュロイ」をビロードの和名「天鵞絨(てんがじゅう)」と組み合わせ、コールテンとも呼びます。

なお、ベッチン(綿ビロード)とビロード(ベルベット)は別物なので注意が必要です。

 

ベッチンとベルベットの違い

コーデュロイの話からはそれますが、ベッチンとベルベットの違いについても触れておきます。

ベッチンとベルベットの違いは、素材と製法にあります。
ベッチンは綿(コットン)素材で作られることが多く、ベルベットはレーヨンやシルク等で作られます。
またベルベットは一度に2反分を織り上げながら、間にパイルになる糸を組み合わせていき、最後に生地の間にナイフを入れて切り開くことで、立毛します。

https://corp.world.co.jp/fashion/material/images/faq_07_img_02.gif

参考:https://corp.world.co.jp/fashion/material/faq.html?M_MATERIAL=8


まとめ

ざっくりまとめると綿素材で畝がある織物が、コーデュロイ
畝がない織物がベッチン。
レーヨンやシルク等のフィラメント素材で畝がある織物がビロード、ベルベットということでした。
呪文から始まった調べ物が調べ物を呼び、こんな結果になるなんて思いませんでしたが、ひとまず新たな呪文を覚えた喜びを噛みしめたいと思います。